2020/09/10
ようやく暑さがやわらいで、夜風がすずしい日が続くようになった。
季節が刻一刻と目の前で移り変わっていくとき、
いつもよりすこし、自分の身の周りのことを意識する。
数歩先の未来や、置いてきた過去のことではなくて、
いま、ここ。
今日は食器棚を整理しながら、季節の飲み物について考えていた。
たとえば春は桜茶や、いちごジャムを添えたロシアンティ。
夏は麦茶や、つめたく冷やしたレモンティ。
秋ならアップルティやメープルティ。
冬は甘酒や、濃いめに淹れたホットココア。
私は食器道楽なので、各々の飲み物に合わせるカップやグラスについても、
もちろん同時に考えている。飲み物とカップのコーディネート。
大きさや手触り、温度の伝わり方ももちろん大事だけれど、
食器道楽としては、どうしても色や柄ゆきを最重要視してしまう。
たとえば我が家で「レモンティ用」としているアンティークカップは、青緑の柄。
スライスしたレモンを縁にひっかけると、とても涼やかな印象になる。
こういうこまごまとしたことを考えて悦に入っているときも、
「いま、ここ」に目が向いている。
近い未来のちょっとした心配ごとや、
まだ笑いとばせない、ほろ苦い過去から救ってくれるのは、
こういう小さなものだったりするのだ。