2020/07/10

買い物ついでに、散歩にでかけた。

駅前の商店街には、暖かな橙色の光と、人々の笑いさざめく声。

そういえば金曜の夜なのだった。

 

ジョージ・オーウェルが、そのエッセイのなかで

テレビやラジオ等の受動的な娯楽と対比するものとして、パブを挙げていた。

とても新鮮な視点。

私が能動的な娯楽と聞いて思い浮かぶのは、

絵を描くとか、楽器を演奏するとか、執筆をするとか、そういったことなのだけれど。

パブの要素のどのあたりが、能動的な娯楽なのかしら。

パブにおける会話、社交?

それとも飲酒による酩酊?

 

私は体質的にお酒が飲めないし、

声が小さいので、騒がしい場所ではまともに会話ができない。

だから、酒場にはあまり足が向かないのだけれど、

だからこそ、なんとなく酒場にたいする憧れみたいなものはある。

 

だって、ミステリー小説だってRPGだって、

その街について情報を集めたければ、最初に行くのは酒場と

相場が決まっているものね。

 

どんなさびれた街にも、酒場はある。

レストランはなくとも、酒場はある。

人と人とのあわい、悲喜こもごもを映しとる場所、

過去と未来が出会う場所、だからなのかもしれないね。